『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック)』第10巻――熱狂の祭りが、暴動へ変わる夜

『雑用付与術師が自分の最強に気付くまで(コミック)』第10巻――熱狂の祭りが、暴動へ変わる夜

97階層、98階層を突破したことで、史上初の「2階層まとめて開催」となった踏破祭。街フィールブロンはかつてない熱狂に包まれ、勝者を讃える歓声と金の匂いが渦を巻く。けれど、本作がうまいのは“祝祭”をただのご褒美にしないところだ。熱狂は同時に、噂と嫉妬と憎悪を増幅させる。そこへ火種として投げ込まれるのが、”竜の翼”による闇地図使用の醜聞。正義の顔をした群衆は、一瞬で牙を剥き、渦は暴動となって”竜の翼”へ波及していく。

ここで主人公ヴィムに突き刺さるのが、「関係者としての自覚」だ。かつての居場所へ導かれた彼が目にするのは、憲兵に捕えられる団員たち、燃え盛るパーティハウス、そして独り逃亡を図るクロノス。英雄譚の高揚とは逆方向に、現実が崩れる音がする。味方が壊され、誇りが踏みにじられ、関係が“証拠”として扱われる瞬間――ここからのページは、読み手の呼吸まで速くなる。

クロノスと視線を交わしたヴィムが感じ取るのは、理屈で説明できない濃い憎悪。そして彼は決闘を覚悟する。因縁の果てに待つのは執着か、決着か。第10巻は、シリーズの積み重ねがあるからこそ成立する「逃げられない対面」が一気に迫ってくる巻だ。強さの更新よりも、心の折れ方と立て直し方が問われる。だから面白い。派手な戦闘だけでは終わらず、“所属”や“居場所”が燃える痛みまで描くから、読後に残る熱が違う。

シリーズ累計300万部突破という人気に納得できるのは、世界が動くたびにキャラの選択が重くなるからだ。踏破祭で得た栄光が、同じ夜に刃へ変わる。群衆の正義、組織の都合、個人の矜持――その全部が交差し、ヴィムは「自分はどこに立つのか」を突きつけられる。読むほどに、ただのファンタジーではなく、集団心理と暴力のリアルが滲んでくる。

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読み始めるなら、まず作品名で検索して第10巻へ。踏破祭の熱狂から暴動の崩壊へ、そしてクロノスとの対峙へ――この巻は「空気が変わる瞬間」が連続する。続きが気になって止まらないタイプなので、時間を確保して一気読みがおすすめだ。ヴィムが“居場所”を取り戻すのか、それとも決別するのか。因縁の決着を、あなたの目で確かめてほしい。

さらに今巻の肝は、「醜聞」が単なる炎上で終わらず、現場の人間を直接焼くところにある。闇地図の噂は、正しいかどうかより先に“処罰したい空気”を生む。群衆は理由を欲しがり、憲兵は成果を欲しがり、組織は責任の置き場を欲しがる。その三つが揃ったとき、真っ先に踏み潰されるのは末端の団員だ。ヴィムが目撃する逮捕や焼失は、ファンタジーの舞台で起きているのに、現実のニュースのように生々しい。だからこそ、彼がクロノスに向ける覚悟は“私怨”だけではなく、背負わされたものへの反発としても読める。

クロノス側の感情もまた、単純な悪役の憎悪ではないのが厄介だ。視線が交わった瞬間に伝わるのは、長い時間をかけて固まった怨念と、失ったものの重さ。決闘は強さ比べではなく、互いの過去と執着の精算になる。ここで決着がつくのか、それともさらに深いしこりとして残るのか――読者は“勝敗”よりも“終わり方”を見届けたくなるはずだ。

シリーズを追っている人はもちろん、ここまでの流れを思い出したい人は、踏破祭の熱狂が描かれていた直前の巻を軽く読み返してから入ると温度差がより刺さる。逆に初見で気になった人は、まず試し読みでヴィムの立ち位置と”竜の翼”の空気を掴んでから巻を遡るのもあり。楽天Koboなら端末を選ばず読み進められるので、通勤や寝る前の短い時間でも少しずつ追える。第10巻のクライマックスへ向かう緊張感を、途切れさせずに持ち帰れるのが強い。

発売日(2025年12月26日)の最新刊として、いま一番“動いている”局面を追えるのもこの巻の魅力だ。祭りの光が消え、街が燃え、居場所が壊れる。その中でヴィムは何を守り、何を切り捨てるのか。気になったら、今すぐ作品名で検索してオンラインで開いてほしい。数ページ読めば、踏破祭の熱と暴動の冷たさが一気に指先まで伝わってくる。

読み終えたあと、ヴィムの「居場所」という言葉の意味が変わるはずだ。次巻へ繋がる余韻まで含めて、今のうちに追いついておこう。ページを閉じる前に、まず1章だけ。そこから止まらない。熱狂の裏側で何が壊れたのか、あなたの目で確かめてください。

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